【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐






カバンからボードを出して、


“笑ってごめんなさい。嫌いじゃないよ。それと昨日はごめんなさい。”と書くと後ろで暁くんが英語を口にした。





たぶん、通訳してくれたんだと思う。





その証拠に、それを聞いた沙夜ちゃんはパアッと顔を輝かせた。





「うれしいですユズっ!!これでユズとfriendですっ。なかよしのハグしますデスっ」





むぎゅうーっ、って無邪気にあたしに抱きつく沙夜ちゃん。




けどそれは、すぐに暁くんによって引き剥がされる。





「あぅっなにするですアキラっヤチモキですか、男らしくないデスっ」




「男らしくなくて結構。それに第一、俺は“ヤチモキ”なんてものはしてない。」




沙夜ちゃんに、ユズhelp me!って言われたけれど、なんとなく二人を大人しく見ていた。