【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





「いいよいいよー。気にしないで!!また今日も送るし!!明日も送る!!明後日も送るから!!」




え…




みんなは、優輝しつこすぎー、と笑っていて。




優輝ちゃんは、いつも通り楽しそうに笑っていた。




「だって柚ちゃんとメールしたいんだもんっ」




なんて言われれば、あたしの顔にはいつしか笑顔があった。




「そうそう、昨日ね…―――」



みんなと話している間は、楽しくて楽しくて。




昨日のことを、忘れていられた。




けど授業もあるから、ずっと喋っているわけにもいかない。




1人でいるときは、暁くんの姿が頭から離れなかった。




今、何してるのかな。



大学にいるのかな。




それとも、沙夜ちゃんと一緒かな…。





脳裏に焼き付く、暁くんに抱きついた沙夜ちゃんの姿。




ああ、嫌だ。




あたしって、こんなに嫌なやつだったんだ…。





思わず涙が溢れそうになり、ギュッと唇を噛んだときだった。




突然視界の外から白いものが飛んできて、コロリと机の上に転がった。





え…、何?





四角く折り畳まれた、ルーズリーフの切れ端だった。




そっと開いてみる。





そこには、女の子らしい丸っこい字体で




“元気ないけど、悩み事かな?あたしで良ければ聞くよ? 優輝より”





あ…。