【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐






相変わらず誰もいない家には、当然灯りなんかは付いてなくて。




真っ暗な家に着いた途端、どうしようもなく泣きたくなった。




でも、いくら待っても涙が溢れることはない。




泣けばいくらかは楽になるのはわかっている。





でも涙はでない。





…そうか、あたしはもう泣くことも許されないのか。





自分自身に苦笑し、あたしはペタンとその場に座り込んだ。








その日はご飯を食べる気にもならず、何も口に入れることなく眠りについたのだった…。











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その日の翌朝、ぼんやりとした頭で学校へと向かった。





一晩寝ても、気分は一向に冴えなかった。




おまけに、昨日はあんなに一生懸命話しかけてくれた沙夜ちゃんになんのリアクションも返してない。




その申し訳なさも、あたしを自己嫌悪で苦しめた。





沙夜ちゃん自身は、悪い子じゃないのはよくわかった。




むしろ、すごくいい子だ。




可愛いし、人懐っこくて、明るくて元気で。





それに対してあたしは、勝手に嫉妬して、自分勝手に逃げた。



すごく、みっともない。




沙夜ちゃんはまだ日本にいるだろうか。



いるのなら、昨日のことを謝りたい。




そしたらきっと、今のこのモヤモヤも少しはよくなるかもしれない。