【完】Lost voice‐ツタエタイ オモイ‐





「アキラから、わたしはなしキクテマス!!ニホンにpretty girlいる、いてました!!」








………えっと。


なんて、言ったんだろ…。




よくわからなかった…。






沙夜ちゃんは、興奮した様子で一生懸命日本語を話してくれているんだけど…




支離滅裂すぎて、理解出来なかった。




しかも途中、英語混ざってたし。




困り果てて、暁くんに助けを求めるように視線を向けてみるけど、すぐに逸らしてしまった。





今は、いつものように暁くんに接する自信がなかった。




仕方なく優兄に助けを求めると、優兄は目に見えて慌て出す。




あ、ダメだ。


優兄、英語まるで出来ないんだったんだ…。





「アイタカタです、ユズ!!」





それにしても…。




あたし、ライバル視すらされてないんだ…。



目の前でニコニコ笑ってあたしの手を握る沙夜ちゃん。



あたしはこんなに、嫉妬してるのに、沙夜ちゃんは余裕なんだ。





…嫉妬?






あたしの中で、一つの答えが導き出された瞬間だった。