「(アキラ、この人たちは誰?)」
「(ん?俺の友人だよ)」
英語がわからないあたしには、二人がどんな話をしているのかわからない。
だから、なんだかあたしはかやの外みたいで、余計に悲しかった。
「アキ、お前な…。」
「紹介するよ。」
優兄の言葉を遮り、暁くんはにこりと微笑んだ。
「こちら、沙夜・オルドリッジ。俺のためにはるばるイギリスから来てくれたんだ。」
「はじめてましテ」
紹介された沙夜ちゃんは、ニッコリと笑ってそう言った。
「(沙夜、違うよ。“ハジメマシテ”って言うんだ。)」
腰を抱いて、甘い英語で囁く暁くん。
本当に、仲いいんだ…。
それに、沙夜・オルドリッジ…って。
沙夜ちゃん日本語カタコトだし、イギリスから来たって。
ハーフか何かなのかな…。
「モシカシテ…アナタが、“ユズ”デスカ!?」
え…?
そんな声にふっと顔を上げると、すぐ目の前に沙夜ちゃんの綺麗な顔があった。
思わず驚いて目を見開く。
「アキラの、オキニイリ…アナタでショ?」
お、お気に入り…?

