暁くんのお見舞いに行ったあの日から、1ヶ月。





あたしの日常は、大きく変わっていた。







ヴヴヴヴヴ…






ポケットの中で震える感触に気付き、中からケータイを取り出す。






新着メールは一件。





表示された名前は、“暁くん”だった。






――今日は、迎えに行くね。校門で待ってる―――






あ…、今日も来てくれるんだ…。





ここ最近、暁くんは何故か学校まで迎えに来てくれる。





暁くんは大学もあるから、あたしはいいって言ったのに、毎日のように迎えに来てくれるんだ。





そりゃ、嫌な気はしない。




むしろ暁くんの優しさは嬉しい。




でもなんだか申し訳ないし、暁くんは目立つから恥ずかしいと思う面もある。





あたしは、ケータイを操作して返事を打った。





“いつもごめんね?ありがとう”





パタンとケータイを閉じて、窓から空を見上げた。






青い空は、今日も綺麗だった。