やっぱり苦しそうな息づかいをしていて、辛そうに見えた。
熱のせいで頬はほんのり赤く、綺麗な茶色の目は潤んでいる。
…なんか、やたら色っぽい……。
ドキンドキンと、心臓が早鐘を打っているのがわかった。
“暁くんが迷惑じゃないなら、もう少しだけ”
暁くんの真っ直ぐな視線から逃れるように目をそらすと、視界の外で小さく暁くんが笑った。
「…そう。嬉しいよ、柚姫ちゃん。ありがとう」
そんな甘い声音の囁きに、心臓が跳ねた。
ドキン、ドキン…
暁くんの体温を間近に感じる度に、鼓動は早さと強さを増してゆく。
ど、どうしたら…
「っ…」
そんなとき、熱い暁くんの手がそっとあたしの頬に触れた。
「こっち見て、柚姫ちゃん…」
促されて視線を上げれば、熱を帯びた暁くんの視線に捕らわれて目が離せなくなる。
「柚姫ちゃん…」
甘い声に名前を呼ばれれば、何が何だかわからなくなる。

