え…、どこに行くのかな。
そんなあたしの視線に気がついた暁くんは、いたずらっ子みたいに口角を上げた。
「もちろん、Rainのみんなの所だよ。」
あたしが驚いて目を見開いたのを見て、暁くんは今度はにっこり笑って頷く。
さぁ行こう、と暁くんにひかれた手はじんわりと温かくて、ちょっぴり固くて。
だけど優しさに包まれてるみたいにホッとするの……。
暁くんにリードされ、まるでダンスをするみたいに軽やかな動きで人と人の間を縫って歩いた。
「愁生たちもきっと喜ぶよ。君が来てくれたこと。」
突然行って驚かせてみようね、と付け足すとぱっちんとあたしにウインクを飛ばす暁くん。
うっ、ずるい…。
そんなお茶目な仕草すらかっこよくて。
あたしの心臓は、またキュンって跳ね上がった。
「…あ、いたいた!」
そんな時、暁くんが嬉しそうに声をあげる。
そこには、満足感に満ち溢れた顔で談笑するRainのみなさんがいて。
あの、いつも眠そうでぼんやりした感じの李織さんでさえ笑顔を浮かべていた。

