「黎児っ!」

部屋の中では、真琴が待っていた。

パソコンを起動させて待っていた真琴。

傷を負っているものの、無事に部屋まで戻ってきた黎児に安堵するのも束の間。

「っっ!」

そのすぐ背後にエリアルが立っている事に、彼女は青ざめる。

「追いかけっこはここまでです」

ドアの前、無表情にエリアルは告げる。

戦斧を足元に置き、初めて会った時のように背筋を伸ばし、丁寧に両手を前に揃えた美貌のメイド。

よく教育された優秀なメイドは、優しく微笑む。

「さぁ…お死にあそばせご主人様、そして薄汚い雌豚」