「三浦…ゆうき?」


僕が席につこうとしたら
茶髪の男子が話しかけてきた。

って僕も茶髪だけど。


「あー…ゆきって読むんだ。」

「そっか!祐希、ギター好きなの?」

「え?好きだけど…なんで知ってるの?」

「携帯のストラップ!」

「あ、あぁ。」


携帯についているストラップは、中3の誕生日に、
まゆうに貰ったやつだ。


「俺もギターちょっと弾けるんだ。」

「まじ!?」


ギターのことになると、
ちょっとテンションが上がる。


「まじ!…あ、でもどっちかと言ったら歌うほう専門ね!」

「歌うまいんだ。すげえな。俺は今までギターしか弾いたことないから…」

「今度聴かせてよ!」

「あぁ…うん。」



「祐〜希っ!あたし、友達できたよ!」

まゆうが嬉しそうに
僕に報告してきた。

「よかったなあ。」

「うん。美奈〜!!」


一人の背の高いスラッと
した大人っぽい女の子が
こっちへ走ってきた。

「この子、美奈!美奈、この人がさっき話した祐希だよ。」

「よろしくね〜祐希君。」

「よろしく。」

「そちらは〜?」

まゆうが聞いてきた。

「あぁ、えっと…まだ聞いてないよな?」

「……」

「どうした?」

「あっあぁ!俺は吉田怜(ヨシダレイ)。」

「そっか〜怜君よろしくね〜!」

「うん。じゃあまた後でな、祐希。」

「おう。」



仲の良い友達に
なれるかな、アイツと。

なれたらいいな。


そんなこんなで、
高校生活初日が終了した。