沙弥と田中くんは隠していたけど、あの時からずっと付き合っていると、沙弥が教えてくれた。 沙弥は私が一郎のことを好きだと知ってたから…、言えなかったそうだ。 「私、」 田中くんも沙弥も、笑ってた。まだ一年しかたってなくて、心の傷だって、一生消えないかもしれない。 なのに、そんな前のこともう気にしてないって、笑ってた。 だから、 「…強いなって思った。」