駆ける…キミト共に

「かけるーーー!!かける…駆…駆…

か…ける…」

叫んでいた。

柴原は、三枚に渡る手紙を読み終え

「以上です…」

と、涙声で言った。

涼子は、証言台に身体を預けたまま
泣いている。

傍聴席からも、鼻を啜る音がした。

樋口も、涙が頬を伝っていた。