が、しかし……

車は無情にも止まってしまった。

城山は、ゆっくりと目を開け
「俺は…ブレーキを…掛けたのか…」

と、安堵の溜め息が漏れた。

が、フロントガラスは

血で朱に染められていた。

城山は急いで、車を降りると
前で倒れている人に走って行った。

「まだ、歩道に車体が出て無い…」

(くそ!こいつも、自殺か!)
心の中で地団太踏んだが

やはり、この跳ねられた人間が気になる…

何故なら、まだ子供だったのだから。