「あたしが出て行った日…
と言っても、側の警官の方は知らないかしら」

「それなら、知ってるさ。
俺が、喋ったから…」
と、卓はやや伏し目がちに言った。

「ううん。 言いの。
それでね、あの前の日に
卓ちゃんを怒らせちゃったじゃない?」
あれは、単純に自分が感情に任せてしまっただけなのに…

「それがね、どうやら、あの子に聞こえてたみたいなの」