いつもの会社の出勤ルートから、思考を張り巡らし

一番死ぬのに最適な場所を想像する。

「死に場所を求める兵士、てのは…
こんな心境なのかねぇ…」

そして、車はやがて十字路を確認すると、スピードを落とさずに

そのまま斜めに、車体を持って行った。

ガードレールが直ぐ側まで来ている。
やがてそれが接触し、
左前扉のミラーが、
ガンガン、音をリズムよく奏でている。

「ここだ…」

と城山は最期の、気を決めた。