その時間の間にそんな事を話していたのだが、

漸く、その時が来た。

ドアに二回、ノック音が木霊した。
とても、とても長い伝導をして
耳に響いて来る。

やがて、一人の警官に導かれ
また、一人の人間が姿を現した。

「涼子…」
かなり、城山は自分が、やつれていると思った。
しかし
一番最初に口を開き
しっかりとその名を呼んだ。

そんな自分が、少し誇りだった。