携帯恋愛〜浅岡ひまりの場合〜




電話した。




その記録は確かに



この小さな金属のかたまりのなかに
残っているのである…





ひまりは
ケータイ電話を
そっと閉じた。








ひまりは、



ゆーとに
恋している。






たとえ顔がわからなくても
声しか聞けなくても、




ひまりは





ゆーと




という存在に


恋している。






それは、事実だ。





「おやすみなさい」




1通のメールを送信した。





そのままひまりは



眠りに落ちた。



end