放課後、俺は下駄箱で愛奈のことを待っていた。
どこで待ち合わせとか決めてなかったので
この場所ならすれ違うこともないだろうと思い
この場所で待っている。

「おにーーーちゃ~ん!!」

愛奈がいきなり抱きついてきた。周りからとても
嫌な視線がする。明日弁解の機会を作ってもらわないとな。

「は・や・く!離れろ愛奈!それとその呼び方は学校ではやめろ」

愛奈はしぶしぶ離れながらも俺に向かって言う。

「え~別にいいじゃん」

よくないっての...

「だめったらだめ!恥ずかしいだろうが。俺の立場になれ。
いいか、よく考えてみろ。周りにすごい目で見られるぞ。あそこの
男子もう後輩引っ掛けて、兄妹プレイしてるぞとか、兄妹で抱き合ってる~
もしかしてそういう関係?うわー引くわー、みたいな目で見られるぞ」

俺は力説した。力の限り力説した。もうこれでもかと言うくらい。

「別にいいじゃん!」

おい、待て。言葉が足りていない。周りにそういう関係だと思われている。
すでに奴らの目はゴミを見るようなけだものを見るような目で見ている。

「あ・い・な~。俺たちは兄妹じゃないしその呼び方は恥ずかしい
からやめなさい。さもないといつものあれやるぞ」

兄妹じゃないのとこを、やけに強調して愛奈に伝えた。主に伝えたいのは
周りの帰宅途中の生徒に、だが。

「え?いや!あれはいや!」

「なら他の呼び方にするよな~?」

「んん~よく分からないけど、お兄ちゃんが困るならやめる!」

「・・・いや、言った矢先からすでに呼んでるだが。」