空は花火に照らされる健を見ていた。

(昔見た健より大きくなったしそれに…かっこよくなったな)

離れている時間が多かったせいか
やっぱりそう思ってしまうのだろう。

(ちょっと急ぎすぎたかな)

流れに乗って告白するところだった自分を
振り返ってみて空は、惜しい気持ちと不安を
抱えていた。

空は昔、健に助けられたことを思い出していた。

小さかったころ空はいじめられていた。
子供のやるいじめだ。その内容は
今なら全然気にならないくらいの理由でだ。

(でも、それを健が助けてくれた。
そして、こんな自分と友達になってくれた。)

(あのことから瞳に映るのはあなた。
今は……瞳に映るのは花火とあなた)

ちょっとメルヘン的なことを考えてしまった空は
顔が赤くなっていた。