「ありがとう!お兄ちゃんはやさしいよね
…誰にも」

そうか?

「そんなことないって」

愛奈は首を横にブンブンふる。

「ううん。絶対やさしいよ。
お兄ちゃんほどやさしい人見たことないもん」

正直どうでもいいんだが。

「じゃあそういうことでいいよ」

「なんか投げやりだよお兄ちゃん…まあいいけど」

「性格なんだよ。しょうがないだろ」

面倒ごとは好きではない。
誰だってそうだろ?

自分から面倒ごとに巻き込まれるやつが
いるならそいつはバカだろう。