胡桃の心の傷をどうしたら癒やしてあげられるのか…

そればかり考えていた。

噛まれてもいいと思い、私の側にいさせた。

噛まれる度に「そうすると痛いんだよ。」と諭すように笑って話し掛けた。

私の両腕は、半袖も着られない程傷だらけになった。

そんな日が続いた。

ある日、いつものように胡桃は私の腕に噛みついた後私の反応を見るかのように

顔を覗き込んだ。

まるで「痛い?」って聞いているようだった。

「痛いよ~。」と笑いながら噛まれるままにしている私。

胡桃はそれから、噛んでから私の顔を見るようになった。