「あー、あたし、さ。

 1人暮らし…なんだよね」

「1人暮らしっ?!」



 家に向かって歩きながら、あやかチャンが大きな声を出した。



「うん…」

「蛍…?
 まだ、何か抱えてる…?」



 あやかチャンは何でも分かってくれる…


 あたしのこと、すごい気遣ってくれて…



「あやか、チャン…」

「ん?」

「あたし、…

 あたしっ…」




 言葉がつまる。


 あたしのことばっかり、話してどうするの?

 

 結局、迷惑かけてるだけじゃん。

 で、あやかチャンに話してどうする気なの?

 
 甘えてるだけじゃん。


 
 
 心の中で自問自答。


 なかなか、言葉がでてこない。




「…蛍?

 1人で、抱えないでね…?」

「あ、りがとう」



 やっぱり、あやかチャンには、正直に話した方がいいのかな…?