「あ、たしね…
中学校の時に、付き合ってた人がいたの」
「うん」
「その人は、黒色の髪の色で、くっきり二重で、背が高くて、頭は普通…?だったけど、スポーツができて…」
「いい人なんだね」
「うん。
でもそれは、初めだけだったんだ…」
「初めだけ?」
「一年生のときに告白されたの。
あたしはその時こんな格好なんてしてなかった。
こんなあたしの何処がいいのかわかんないけど、
毎日たくさんの人に告白されてた。」
「うん」
「でもあたし、聞いちゃったんだ」
「何、を…?」
「その人じゃないんだけど、また違う男の子があたしに告白したあと、あたしがいないって思ってたらしくて、そのときに『何であいつに告った?』って聞かれてたの。
そしたら、その人…
『はっ?
顔に決まってんだろー、
他に何があるんだよ…
ってかあいつが彼女だったら俺の株があがるだろー?』
…びっくりした。
だからあたし、誰からの告白も断ってたの」
「そんなことが…」
「でね、そんな時にその"いい人だった"人があたしに告白してきたの。
どうせまた、顔なんだろうなって。
あたしは全然自分のこと可愛いなんて思ってないからわかんないの。
だけど、…」
涙がでた。
この涙は、何の涙?
「蛍、大丈夫?」
「ご、めんね…
名前、言わないとややこしいから…
その人名前、大翔[ヒロト]って言うの…」
「大翔って、もしかして…」
