「ねぇ~、早乙女サン?」

「はぃっ!」


 ぅわぁっ!

 やばい、素がでちゃった…


「こんにちは!
 あたし、楠 あやか[クスノキ アヤカ]って言うんだ!
 良かったら、友ダチにならない?」

「とも、だち…。」


 
 楠、あやか…、さん。


「ねっ?
 いいでしょっ?」

「あっ、はぃ…」



 そう言って握られた手。



 あたしはびっくりした。



 友ダチなんて、この学校ではできないって思ってた。



 なんていい人…



 しかも!

 あたしと比べ物にならないくらい可愛い。


 何っ、この可愛さ…


「ねね、蛍チャン」

「…」

「蛍…ちゃん?」


 蛍、蛍…ほたる。



 あっ、あたしだっ!



「ご、ごめんなさぃ」

「あっううん、いいのいいの。
 あのさっ!
 "蛍"って呼んでもいい?」

「あっ、はぃ!
 どうぞ…じゃなくて、どうぞ?
 いやいや、何かおかしぃ…
 お願いしますっ!」