「…やっぱり、それを聞くんですね…」 心の中では分かっていた。 だいたい、予想はついていた。 篠塚くんに、聞かれること。 「…どうして、知りたいのですか?」 「どうしてって…」 「理由がないのであれば、話せません。」 きっぱりと言った。 そう易々とは話せない。 「…では私、帰りますね」 長居は無用。 あたしは鞄を取った。