「何もないよ…うん」 あたしは目線をそらしながら言った。 あ、不自然すぎたかな? 冷や汗がたらたらと流れる感じ。 ひたすら笑ってごまかす。 「ふ~ん…」 怪しいって目が言ってるようだ。 ま、図星だから何も言えないけど。 だけど、秘密は秘密。 楓のことは… 秘密。 ごめんね、心音。 雪が降りそうな空。 そのせいかどこかそわそわする心。 心音の話を聞いてるときも、心がとんでっちゃってた。 楓のことで、いっぱいなの。 あたし。