あたしを見つめる先生を横目に、上履きをはく。


「あたし、教室戻ります」



何か言ってる先生を無視して、あたしは保健室を出た。




保健室にいるより……

今は、親友といるほうが早く時間が進む気がする。

ちょっとだけど、違く接することが出来る気がする。





とにかく。





みんなの顔が見たい。





あたしは走った。

先生たちの声が響くだけの静かな廊下を。





さっきより、さっきより身体が軽い。




教室に入ろうとしたら、チャイムが鳴った。


授業終わりのチャイム。





迷わず、親友の心音の胸に飛び込んだ。