なんだか安心できる声だった。 声の持ち主をどうしても見たくなって… ゆっくり目を開いてみる。 「どうしたの?」 「………」 バッチリと視線が絡んだ。 たぶん目の前の彼は、声の主。 私のためなんかに…… 心配そうに顔をしかめてくれてる男性。 泣きそうになった。 嬉しくて…… 泣きそうになった。 何かが溢れてくる。 きっとこれは、孤独、寂しさ。 きっと、これは夢。 それか、私が都合よく作り出した幻覚。 軽く頬をつねってみると、痛い。 夢じゃない? 夢じゃないんだ……