保健室の先生みたいに、それっぽく言った先生。


そんな姿が彼にはまったくあっていなくて、小さく笑う。



「ま…寝てな」



あたしが笑ったことには気づかず、そういい残して出て行ってしまった先生。


先生が行ったのを確認してから携帯を開いて、

朝。登録した楓のメールアドレスを見つめる。


sano0626.snsn-keke@×××


エス……エヌ…



サナ……?



「はぁ…」



思わずため息を漏らす。



考えれば考えるほど……

それにしか思えない。



薬指にあった指輪…

結婚指輪。



楓が囁いた女の人の名前…

奥さん。




そんな気がする。




いや……

きっとそうだ。