消毒の匂いがつんっと鼻を突く保健室。


この匂いが好き。

真っ白な保健室が好き。


保健室の先生は…留守みたいだ。

探しても保健医の姿は見当たらないから。



足を進めていくと目に入ってきたのは

"職員室にいます"

と、机の上にぽつーんとあった置き手紙。




森沢先生に促がされて、ベッドに入る。



ベッドはふかふかで温かくて…

今すぐにでも寝れそうなほど心地いい。



「はい、熱測って」



冷たい体温計をワキに挟んで測り終わるのを待つ。

そうしてるうちに、先生の冷たい手が、おでこに触れた。


手冷たさに、ビクンと身体が跳ねる。



「……っ」


「あ、ゴメンゴメン」



先生はへらへら笑う。

体温計もあざ笑うかのように、ピピピピッっと先生の笑い声と一緒に響き渡った。




「37.6か~…微妙だなぁ」