しかもすっごいブカブカ……。

楓のだろうから仕方ないけど。



楓が…着せてくれたんだよね?




心がまた温かくなった。



一定のリズムですーすーと響く部屋。




広げられた腕に頭をのせて、白い天井じゃなく寝顔をまた見つめ直す。

なんだか愛おしくてたまらない。



―プルルルル…ッ



そんなほんわかした空間に突如襲ったのは、ホテル取り付け電話の着信。


モーニングコールみたいだ。



デジタル時計は7時15分を示している。



楓は、こんなに大きな音なのに、起きる気配すらない。


寝ぼすけだな~…



「楓~?」



ちょんちょんと、ほっぺたを突いてみる。

不機嫌そうにうなりながら寝返りをうった楓の腕に、すっぽりとおさまってしまった身体。



「ちょ…楓っ?」