今だけ……

今だけだから、いいよな?


佐奈なら許してくれるよな?



「か…えで……」



寝言なのか、

俺の名前を呟いた陽菜ちゃん。



そんなことを考えながら、

自分と葛藤しながら、


可愛らしい笑みを浮かべる彼女にパーカーを着せる。



予想以上にぶかぶかで…

やっぱり可愛くて、


胸が切なくなる。



佐奈よりずっと小さくて、

一人にしたら死んでしまいそうな…


そんな陽菜ちゃんを力いっぱい抱きしめた。