「陽菜ちゃんはオレンジ。俺はビール♪」



そんなことを言いながら、楽しそうにコップにつぐ楓。


些細なことで胸が苦しくなる。

大好きすぎて、胸が苦しい。



「はい」



手渡された冷えたオレンジジュース。

ちびちびとゆっくりと飲み干す。


なんだか生き返ったような気がした。



100%のオレンジジュースより、この方が好き。




「ぷは~っ」



楓は横でおじさんっぽく飲んでいる。


顔としてることがあってないよ。

思わず笑ってしまった。



「なんだよ~?」



唇を尖らせる楓。



「別にっ」



そんな可愛らしい楓にますます笑みがこぼれてくる。