「大丈夫、いらない…」



安堵のため息を飲み込んで、キッパリ答えた。


食べ物まで迷惑かけられないよ。


それに……

食べたい気分じゃない。



あたしは、メニュー表を返す。



「オムライス頼むから、一口でも食べな…ね?」



オム…ライス?


首をかしげながら、彼を見つめる。


なんでオムライス??



「あれっ、若い子ってオムライス好きだよね?」



慌てたような困ったような顔。



「あたしは、好き…」



あたしは即答した。

気を使ったわけでもない。


本当に好き。


よくお母さんに……

作ってもらってたことを思い出す――…