ん…?



頬に違和感を感じた。

ほっぺをふにふに押されているようだ。


……誰?



ゆっくり目を開ける。

見慣れない白っぽいベージュの天井。



「起こしちゃった?」



あ…あたし寝ちゃってたんだ。


視界いっぱいに広がる、

愛おしい彼の笑顔。



水色のパジャマに身を包んでいた。




「平気……」



口から心臓が出ちゃいそうなほどバクバクなっている。


聞こえちゃってるんじゃないか…

そう思ってしまうほど。


でも、平常心を保って答えることができた。



「何か食べる?」



メニュー表をあたしに手渡す彼。

きょとーんとした無防備な顔。


気づいてないみたい。



よかったぁ……