「ん、ごめん…ありがとう」



楓は何度も頷きながら涙声で呟く。

そんな彼の姿に私の涙腺は、もう緩みっぱなしで…


はたから見た私たちはどんな風に写っているんだろう、
なんてそんなこと考えてる余裕なんてない。



私が大好きな楓は【 家 族 】をもった。

きっとそれは人生で一番幸せな時間。


色々たくさんのことがあって、

それを乗り越えていけるんだ。



サナさんがとても羨ましい。

こんな素敵な人と家庭が築けるなんて。



私もいつか……

心から好きな人と、そんな時間を作りたい。




目を潤ませながら笑みを浮かべる楓を見ながら、そんなことばかり思った。