慌ててその気持ちをかき消して、楓に問うた。


もう私は、楓のことが好きじゃない。

好きな人なんてあの人だけで十分。




それより今は、恋愛より夢。



「……で、話って何?」


「あ、あぁ…」



楓はコーヒーを一口飲むと、静かにゆっくり……

一言一言言葉を紡ぐように話し出した。



「俺さ、陽菜ちゃんと別れたとき…正直、忘れられることに自信なかった。 でもさ? ……子供、できてたんだ。サナと俺の子」



子供……。

普通は嬉しいモノだよね?


でもなんで……

苦しそうな顔してるの?



そんな疑問を抱きながら、うん、と短く相槌を打つ。