笑みとともに零れるのは安心感。

陽菜ちゃんは、そんな冷たいメールをする子じゃない。

それかきっと……

拓郎とメールをするのが面倒なのか、陽菜ちゃんではないんだろう。



でも、もし陽菜ちゃんだとしたら?



『 会 い た い 』



この一言に限る。



「…なぁ、拓郎」


「なんすか?」


「その子、いつも路上ライブとかしてるのかな?」


「暇な日、毎日だそうですよー♪ 可愛いっすよね」



だらしなく顔をニヤつかせる拓郎を尻目に、密かに決めたことがある。


一度だけ、明日だけ、

陽菜ちゃんに会いに行ってみよう。



もしいなかったら、もう……

終止符を打とう。