そんなことを言いながら、一瞬頭に過ぎったのは…

愛おしかった彼女の姿。

愛らしい、陽菜の姿。


でも、陽菜がそんなのしてるはず無い。

………たぶん。



慌ててかき消していると、


「な、なんすかロリコンってー…」


膨れっ面をする拓郎の姿。

28にもなって、そんな顔してるなっつーの。


「だってそうだろ? 見た目小学生って…」


ため息混じりに呟くと、お弁当の卵焼きに手をつける。



「まぁ、聞いてくださいって。その子…陽菜ちゃんって言うんすよ、アド交換したんすー♪」



出るはずのない人物の名前に、

卵焼きは口に入らずボトッと地面に落下した。



さっき、陽菜って言った…よな。