「陽菜ーっ!」


「……ん?」



机の上に広がった、たくさんの想いが綴られたノートとペン。



気が付けば時計の針は5時を指していた。

もうこんなに時間、経ってたんだ。



「あのさ、今からカラオケ行くんだけど…陽菜も来てよっ」


「ごめん…今日さストリートなんだよね」


「あ、そっかー…頑張ってるね、陽菜」


「んー、まぁね…」



『頑張って』そういい残して教室を出て行った楽しそうなクラスメイトを見送り、落書きがされた机に突っ伏する。


落書きはほとんど歌詞。


寝て起きて、また寝て起きて……

常に頭の中にあるのは、


【 歌 】


【 夢 】



この二つのことだけ。