そして、先生は……

人差し指と中指でそれをはさみ、口に触れさせてからふーっと息を吐き出すようにした。



その姿は楓そっくりだった。




「煙草~っ♪」



そう思ったのはたった一瞬だけど。



って、子供かよ…。

嬉しそうにはしゃぐ先生を見て思ってしまう。



あたしもなんとなく真似してみると…―




ふわっと楓の吸っていた煙草の匂いがした。




いや……

したように感じた。





やっぱり、煙草は嫌い。




あたしはこれで十分なのかもしれない。




むせるように苦いだけの煙草より……



甘くてすぐに…

幻のようになくなってしまうシガレットチョコのほうが。