姿を確認しなくても誰だか分かる。 「先生……?」 振り向くとやっぱり先生、 ……先生だった。 声と同じく人懐っこい笑みを浮かべながら、彼は優しくあたしの頭の上に手をのせる。 「またサボりか?」 なんて言って笑う先生をちょっとだけ睨みながら、「違いますよ」そう素っ気なく言い返して、顔を伏せた。 正直、話したい気分じゃなかったから。 そんなあたしの気も知らないで、 先生は聴いたこともないような口を口ずさむ。 陽気なメロディーを感じながら、私は目を閉じた。