「あ、楓…わたしね……」 「どうした?」 先を話し出さない佐奈を促す。 佐奈は一呼吸置いて、きっぱりと言った。 「妊娠したの」 「ふーん、……え、妊娠!?」 ハッキリ届いたその一言に、耳を疑った。 佐奈が妊娠するなんて…… 思ってもみなかったことだ。 「お、おめでとう…」 肝心なときほど、いい言葉がでてこない。 純粋に嬉しかったのに。