「今、一番愛せてると…思う」



恥ずかしそうな、囁くような
楓の優しい低い声。



「うん……」



急に……何?

なんでそんなこと言うの?



相槌を返すだけで精一杯だった。



糸が絡まって渦をまくような、
そんなグシャグシャしたものが心の中を支配する。



『一緒にいちゃ駄目』


その決心を、

楓の一言が揺らがせる。



『バレなきゃいいんじゃないか』

『このままでもいい』

『このままでいたい』