息を整えながら楓を見つめる。 この低酸素の時が好き。 肩で大きく何度も息をして、 幸せの余韻に浸る時間。 身体は繋がったまま、視線が絡んだ。 「陽菜…」 楓の熱っぽい声。 もう終わりなんだ… ぼーっとする頭でそんなことを思う。 驚くくらい、 冷めて冷静な頭の中。 「何?」 楓を直視することはできなくて、 真っ白な天井を見つめながら答えた。