「楓……あたし、楓のこと好き。本当に好き」




楓を見つめる。

楓だけを見つめる。



このまま

" 不 倫 "

そんな形でもいい。



このままでもいいから……

一緒にいたいよ。


これが本当の気持ち。




" 愛 人 "

それでもいいんだ。





「俺も…サナ……アイツより好きだよ」




楓は、あたしの目を見て言う。

真っ直ぐな彼の瞳が、胸の奥を苦しくさせる。




思ってること、すべて見透かされているような気がした。




それくらい……綺麗な瞳。