ぐぃっと腕を引っ張られた瞬間、何か温かいものに包まれた。 「楓…?」 名前を呟いたときにはもう、楓の胸の中。 楓の息が耳元にかかる。 「俺も…好き……だよ」 表情は見えない。 けど… 背中越しに伝わる心臓の音。 あたしより早い気がする。 「知ってるよ」 「あ、知ってたか?」 「うん、知ってた」 くるっと楓のほうを向いて、 ぬいぐるみを抱きしめるように思いっきりぎゅうって抱きしめた。