夏本番も近づき、7月になった。

蝉もミンミンと鳴き、求愛する。

蝉の寿命は、儚い命。

人間の100分の1もない。

一瞬の恋もまた、美しいのかもしれない。



「暑い~、クーラーほしい。
 教室にクーラーないなんて最悪~。
 もう、汗でベタベタ」

うちわをパタパタと仰ぐ百合子。

「しょうがないよ。
 うちの学校、市立だもん。
 あー、視聴覚室か英語教室にしか
 クーラーないもんなー」

暑い、私もうつわで仰いでいる。

パタパタパタ。

「クーラーが無くても、
 生きれるじゃない?
 暑いと思うから、
 余計に暑く感じるのよ」

そういう梨乃も、
パタパタしてるじゃん。

「もう夏になったから。
 猛暑はこれから来るって。
 朝の天気予報でやってたよ」

ぱたぱたぱた、由香も一緒です。


お昼休み時間に揃って、
うちわでパタパタしてます。


「あそうだ、皆にご報告が、 
 あります」