タんタンタン…


というリズミカルな包丁の音とテレビから聞こえるアナウンサーの声。



あっという間にできるのは、1人分しか作らないからだ。




もくもくと食べ、歯磨きをし、食器を水につけておく。



次は洗濯物を簡単に干して、制服に着替える。





家事が一通り出来たとき、もうそろそろ家を出ないと遅刻しそうな時間だった。




「…いってきます」


静かな部屋に、私の声は溶け込んで消えていった。




もう何年、私のあいさつに返事がこなくなったのだろう…



そう、久しぶりに考えていた。