春らしい暖かな陽気が、今日という日を祝福するように、優しく照りつける
まだ少し大きく不格好な制服を着た学生が、頬を高揚させている姿は何とも微笑ましい。
すぐ側をまた学生が走り抜けた。
この先にあるだろう、あの学校に向かって
「…うわぁ、久しぶりにみると大きいなぁ…」
私は思わずつぶやいて、威風堂々、そびえ立つ学校の正門を見上げた。
…あたしこんな所いままで普通に通ってたの?
ここ一ヶ月、学校に来なかっただけで、この巨大な門をくぐることを躊躇してしまう。
きっと何も変わってないのに、可笑しいね
豪華を極めた寮も校舎も。
学校を包むかのような緩やかな雰囲気も。
変わったとすれば、
それは私だ。
今年で2年生になる。後輩が出来る。
それに、
なんだか、急にこの門を潜ることが、すごく考え深く思えたとき、
「えっ…」
急に腕を捕まれた。そしてそのまま引きずられるようにして、門を潜ってしまった。
「ちょっ、と!」
慌てて腕をふりほどこうとするが、よけいに強い力で掴まれて、
痛みに顔をひきつらせながら、立ち止まったその人を見た。
そして、目を丸くする。
「邪魔なんだよ、朝から鈍いね」
会長はまるで悪戯に成功した子供のように、私を見て微笑んだ。



